第19章 お手伝い。・:+°秀吉。・:+°
三成くんだ・・・
とてもそのまま三成くんの所まで歩いて行けそうにない。
少しづつ本を整頓しながら中央に進めるように道を作って進む。
書庫以上に本がある気がする・・・
「三成くん!今助けるね!」
やっと中央までたどり着き、声を掛けながら何冊も何冊も本を退かしていくと三成の顔が出てきた。
「三成くん?ねえ・・・三成くんってば!」
彼の名を呼び頬を叩いてみるが返事がない。
「起きて!お願いっ!三成くん!」
三成は意識を手放してしまっているようでピクリとも動かない。
どうしよう・・・もし今ので死んじゃってたら・・・
三成の姿を前にして、段々と自分の指先が冷たくなるのを感じる。
「・・・し・・・さん・・・」
助けて・・・っ
「秀・・・吉さん・・・」
震える声で必死に名前を呼ぶと自然と涙が溢れポロポロと零れ落ちる。
「・・・夕霧?」
今、夕霧が俺を呼んだ気がしたが・・・気のせいか。
それにしても遅い・・・いい加減戻ってきてもいい筈だ。
あんまり早く様子を見に行くと怒るだろうから今日は戻ってくるまで待ってみようかと思ったんだが・・・
嫌な予感しかしない。
秀吉はスッと立ち上がると三成の部屋へ急いだ。
三成の部屋に面した廊下まで出ると異様な光景が目に入る。
四枚ある障子は何故か真ん中に寄せられ両端から部屋が見える。
そこから雪崩のように廊下にまで本やら巻物が押し寄せていた。
「何だこれは・・・」
明かりが灯っている所をみると部屋にいるようだ。
部屋に近づくと一方の入口は何となく積み上げて片付けてあるようにみえる。
そこから覗けば異様な光景が目に入り秀吉は慌てて夕霧の元へ駆け寄った。
「夕霧っ!?」
「・・・ひで・・・よしさぁん・・・」
ボロボロと大粒の涙を流して慌てて駆け寄った秀吉に抱きついた。
「三成くんを・・・私っ・・・私・・・」
「わかった。落ち着け・・・大丈夫だ。ゆっくり深呼吸できるか?」
「うっ・・・えっ・・・うん・・・」