第7章 太宰治✕ポレアフィリア
太宰さんが此方に向かうと行って数分が経過した頃。
私は待ちぼうけを食らっていた。
「まだかな……」
無意識の内に小さく呟く。
私が倒した敵は一部であって一掃した訳ではない。
まだ別の階に敵は居るはずだ。
もしかしたら何かあったのかも………と考える
月明かりのみの暗闇の中にずっと1人で居ると悪い事ばかり思い浮かんでしまうのだ。
……が、彼によってそんな事は無いと直ぐに思い直した。
あの人は少なからずポートマフィアという大組織の1幹部だ。
例え心配しても『君如きに心配されなくても大丈夫だ』とでも言われるだろう
───────パキ
『!?!?!!!?』
誰も居ないはずの静かな空間の中
確かに聞こえた。
誰かが、何かを踏む音。
この階の敵は私が倒した筈だが、それならば何故誰かの音が聞こえるのかと余計に不安が積もる。
私は護身用で持っているリボルバーに手を掛けた
「太宰さん……?」
恐る恐る、その場にいて欲しいと思った彼の名を呼びながら振り返る。
が、誰も居ない。
気のせい…………??
そう考え直してまた元の視点へと振り返ろうとした瞬間。
ガン!!!!
「ーーーーーーっ!?!?…………」
何かを強く打ち付けられ、私の視界は暗転した。