第7章 太宰治✕ポレアフィリア
マフィア等という仕事をしているのだから、生と死が互いに近しいことは仕方が無い。
しかし、それを踏まえても太宰さんは異常な人だと思う。
‥‥‥彼は異常な程までの自殺志願者なのだ。
【ポレアフィリア】
太宰さんは一部の人間からそう思われていることを知っているのだろうか。
死ぬ状況に対しての異常なまでの性愛がある者だと。
否、彼自身そうだという自覚はあるのだろうか。
‥‥‥‥まぁ、今自分がそんな事を考えても仕方が無い。
あのような人でもマフィアの幹部の1人なのだから、実力も実績もある。だから、他の人も彼の性癖には多少は目を瞑っているのだろう。
かくいう私も、彼の事は性癖の部分を含めても嫌いでは無かった。
普段は冷たい態度をとられるが、何かと気にかけ素っ気なくも優しくしてくれたから。
恋愛‥‥‥という感情に当てはまるかは分からないけれど、案外太宰さんの事が好きなのだと思う。
‥‥‥だからと言って何をどうする事は一生無いけれど。
──────そんな事を、私は悠長に考えていた。