第7章 太宰治✕ポレアフィリア
「”甘い“…か…」
改めて一人だけになったビルの部屋でポツリと呟く。
確かにそんな事を言われても仕方が無い。
しかし、私は余程のことがない限り、人は殺したくは無かった。
誰かの命を奪うことはそんな簡単なものではないと思うから。
自分でも、こんな事を思うような人間はマフィアなんかに向いていないと思う。
それでも、続けていたいと思うのは大きな矛盾だろう。
──────否
“死”という事と近しいマフィアの人間でも、『あの人』と比べれば皆向いていないようなものなのかもしれない。
先程の通信相手
マフィアの幹部
“太宰治”に比べれば。