第7章 太宰治✕ポレアフィリア
任務と言っても警察の捜査任務だとか、そういう表の世界の真っ当な任務という訳ではない。
今回の私の任務は目標の組織の情報を獲得し、抵抗するようであれば無理矢理にでも尋問をし聞き出す事。
それが、『マフィア』の一人である私に課せられた仕事だ。
『‥‥自分から指示を求めておいて一息付くのは如何なものなんだい?』
「!!!」
考え事をしていると、急にイヤホンから声が聞こえた。
‥‥通信中なのだから聞こえるのは当たり前なのだが。
「っす、すいませ‥『それより』
『取り敢えず現場の状況報告を』
謝ろうとするもそんな事はどうでも良いかのように言葉を遮られる。
「‥は、はい。現在F2階に侵入していますが、敵の気配はありません。おそらく総本部は最上階かと。見張りはF1に15人、これより上には4‥50の気配があります。現在地に配備されていた者は即座に気絶させました。」
できる限り速く現状を伝える。
伝えた情報は間違っていない筈だ。
『殺してはいないのか‥‥‥相変わらず甘いな、君は』
「っ‥‥」
『まぁ、了解したよ。我々も直ぐにそこへ向うから君はそこで待機だ。勝手な行動はしないでくれたまえよ。』
少し呆れたような感じで言われるも、指示を言うと返事をする間もなく通信を切られた。