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貴方との異常性癖について【R18】

第6章 轟焦凍✕アコースティッコフィリア【音響愛好】




「‥…私のこの歌ね、昔、誰かに教えてもらった歌なの」


乱れた服を整えながら、ゆっくりと歌について話し出す。
普段から誰にも言っていない筈なのに、何故轟くんにはなしているのか自分でも不思議に思う。

しかし、彼には話しても構わないと、話したいと、そう思ったのだ。


「…“誰か”?お前はそいつの事知らないのか?」


「‥知らないっていうか、思い出せないっていうか‥‥確かに私が小さい頃誰かに教えてもらって、会うたびに一緒に歌っていたような気がするんだけど‥‥。それが誰だったのかは思い出せなくて‥」




 

‥‥あれ?


何で、思い出せないんだろうか。
いざ考えると不思議な話だ。

「会うたびに…いつも歌って……」
思い出そうとしても思い出せない。


いつも一緒に歌っていた筈なのに。



『すずちゃん』

『これね、僕のおかあさんが歌ってくれたうたなんだ』


 

何処か遠くでそんな声が聞こえた気がした。

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