第5章 燭台切光忠✕アムロフィリア【擬似盲目性愛】
握る握り返すを繰り返していく。
いつも通りとても心地いい。
あながち堪能できると言ったのは間違いではないかもしれない。
「・・そろそろ、僕も堪能してもいいかな」
「え、?」
…そういえば、『お互いに堪能する』って言ってたけ……どっ!!?
そう考え終わる前に、唇へ触れられる柔らかな感触。
思考が停止した
目の前が見えないと言うのもあって、光忠にキスをされたと言う事を理解するのに時間がかかった。
「な、にを・・・ンン・・ッ!」
チュ、チュゥ‥‥‥チュル
『触れた』のは本当に一瞬だけで、徐々に激しくなっていく
舌を挿れられ、向きを交差し、角度を変えながら歯列を沿う
口の端からは唾液が溢れて息も絶え絶えになる。
突然の出来事にも関わらず、ただ激しくキスをされるだけで抵抗する力は失われていた。
「ぷは‥っ!ハァ、ハァ‥‥」
「ふふ、キスだけで感じた?」
やっとの思いで開放されると、先程まで吸い込めなかった酸素が一気に体に流れ込んでいく。
色っぽく、只聞こえるだけの光忠の声。
見えてはいないが、今の彼はきっと黒い笑顔をしているのだろう。