第4章 折原臨也✕ダクライフィリア【泣哭性愛】
だがしかし、その人はいとも簡単にその拳をすり抜け、
逆に拳を振り上げてきた男に鋭い蹴りを入れた。
「ぐ………っ、」
蹴られた男は地面に倒れ、苦しさと痛みで蹴られた部分を手で抑える。
「俺と遊ぶには、やっぱシズちゃんくらいの化物じゃないとねーー♪」
まるで遊んでいるかの様な笑みを浮かべ、徐々にもう1人の男へと近寄る。
「さて、‥残るはキミだけど………どうする?」
まるで答えが分かっているかのような問いかけ。
その口元は笑っているのに、目の奥はとても冷たい色をしているかのように見える。
私にその笑顔が向けられている訳でもないのに、嫌な汗がさーーっと背中を伝うかのような感覚に襲われる。
「………っ!お、おい!行くぞっ!!」
男もその悪寒を感じたのか、急いでその場を転げるように走って行く。
「っ待てよ!!」
もう一人も置いて行かれまいと必死になって走って行った。
周りには私とダウンを着た男性の二人だけとなり、周りは先程までが嘘のように静寂に包まれた。