第4章 折原臨也✕ダクライフィリア【泣哭性愛】
「誰だてめぇ‥!」
「いや、質問してんのはこっちなんだけど?」
その人は、この状況に焦っている訳でもなく、ただ乾いたような笑顔で問いかけてきた。
ファーの付いた黒いダウンを着た男の人。
見た感じ、私と同じくらいの年齢だろうか?
ただ、
今が夜で、周りが暗いというのもあるかもしれないが
私の中の印象が一瞬で『黒』となるくらいに真っ黒だと思った。
「てめぇには関係ねーだろ?」
「俺ら、これから楽しむんだよねー、怪我する前に消えな」
男達は行為を早くしたいと言うように、ナイフを黒いダウンの男性に突き出した。
かのように思えたのだが………
「あはは、怪我?どうすれば俺が怪我なんかするのかな?」
「!!?」
男の1人が突き出した筈のナイフを、黒いダウンを着た男性が差も当然のように持ってゆらゆらと振っている。
まるで手品師のようだ。
「てめ………っ!!」
遂に片方の男がダウンを着た男性に向かって拳を振り上げた。