第2章 及川 徹✕サディズム【加虐性愛】
徹は‥‥稀に突然性格が豹変する事がある。
いつなるかだとか、どういう状況でなるかとか、詳しく事は分からない。
ただ、その時は徹が徹じゃなくなっている。。というのは感じている。
唐突に人を殴ったり、傷付けたりして喜びだすのだ
普段の彼とは思えない程の怪しい笑顔で。
只々その行為が楽しいだけだから‥と
普通の人ならそんな事をされた瞬間、彼から離れていくだろう。
私だって、初めてそんな彼を見た時から、離れていこうと思った時だって何度もある。
それでも、私は彼から離れない。
彼は
私を傷付けるときも、傷付けた後も
必ず
延々と私を想って泣いていたから。
『二十人格』というのはこの事をいうのだろうか?
…‥‥
私は‥‥‥
抱きしめられない代わりに、
言葉をかけてあげられない代わりに
そっと、彼が泣き止むまで、
彼の為に涙を流し続けた。