第4章 葉は緑、空は雨色
なんで…なんで沖田先輩は私に優しくするの?
みんな噂してるんだ…斎藤先輩とお姉ちゃんが別れてから、沖田先輩がお姉ちゃんの彼氏になったんだって。
それは違うっていうことは私はよく知ってる。
でも…沖田先輩はお姉ちゃんのことが好きなのかもしれないし…
ぐるぐると考えてしまう。
「…夢主(妹)ちゃん、聞いて?」
何も言えずに黙り込んでいた私に沖田先輩は静かに話しかけてくれる。
「…夢主(妹)ちゃんを傷つけてしまうようなこと…言っちゃったのかもしれないけど…夢主(妹)ちゃんに意地悪しようとしたわけじゃないんだ。」
沖田先輩は、とても悲しそうな顔をしてる。
どうしよう…思ったより沖田先輩を傷つけてしまったみたい。
いつも言ってくれる言葉達は、本当はうれしいはずなのに…
「先輩ごめんなさい。」
そう言葉にするのがやっとで、私は、うえーん、と子供のように声をあげてしまった。
変な泣き方をしてしまった為か、うぇうぇ、としゃくりあげてしまいながら、
「わっ…わったしっ…こそっ…ごめんなさいっ」
そう言えば、沖田先輩はすごく優しい目をしてぽんぽん、と、私の頭を撫でた。