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【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第2章 サクラ散る頃


ふぅ…と溜息をつきながら、クローゼットを開けて、適当な部屋着を出す。

着替えながら時計を見れば、そろそろ部活も終わるだろう時間になっていた。

今日は夕飯の準備をする気力はないなぁ。お父さんもお母さんも出張だし…

…夢主(妹)にLINEしよう。

ご飯作ってないから適当に食べて…と夢主(妹)にLINEをする。

…夢主(妹)とあのコは仲良しなんだよね。

昼休みは総司が気をきかせてくれた…ってことは、気がついてるんだね。

…あのコは一君を好きなはず。

これは女の勘ってやつだけど。

夢主(妹)とあのコが、このことで仲が悪くなるのは嫌だな…、と思った。

夢主(妹)には…落ち込んでるのは気がつかれないようにしよう。



着替え終わって、ベットに座って、ふぅ…とまたひとつ溜息をつく。

明日は土曜日で学校はない。

ふと、爪を見た。

ただ磨いただけのつまらない爪。

明日は学校ないし…久しぶりに爪を飾ろう。

中学の頃から、落ち込んだ時は、決まって爪に色をつけた。

そうすれば少し心が落ち着いて、冷静になれる。

それに…小さい爪に集中していれば、嫌なことを考える暇もない。


ラメとストーンもつけて、薬指だけ花柄にしよう。



久々に華やかになった爪を見れば、気分が落ち着いた気がする。

ネイルに集中していたから、もやもやしていた頭の中も、今は少しすっきりしてる。

気がつけばけっこうな時間が経っていた。

そういえば…夢主(妹)帰ってこないな…

心配になってスマホを見ると、「沖田先輩とハンバーガー食べて帰るネ」とLINEが届いていた。

ほっ…と安心する。総司なら、家も同じ方向だし送ってくれる。



一君からのメッセージはない。

私も、一君にLINEを送る気になれなかった。

と、いうよりも…

一君と何を話せばいいのかわからなかった。

部活おつかれさまって送ろうと、メッセージを作って見たものの、送信ボタンは押せない。



そういえば…昼休みに屋上に来てくれなかったな…

もしかしたら、今私が連絡をしなければ、ずっと連絡が来ないかもしれない…

せっかく落ち着いていた心が、再びもやもやと雲っていく。

きゅうっと胸が締め付けられて息が苦しい。
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