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【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第7章 横暴な要求


その姿を目で追った。

原田先生は何やら作業服を着た業者の人を連れて、サッカーのゴールを何やら調べてる。


先生…なんだよなぁ…


先生は大人で…

「先生」っていうのは仕事で…

ああやって、生徒以外の人とだって仕事をしてて…

ん?先生じゃないときの原田先生ってどんな人なんだろう。

私が見てるのは本当にほんの一部で…

「先生」な原田先生しか知らない。


一度だけお家にお邪魔しちゃったことある。

でもあの時はそれどころじゃなくて何も考えてなかった。


「男の人」のお家だったな…


殺風景で、何もなくて。

タバコの臭いがして…

コンビニの袋があって…


どきどきどき


まだゴールの前で何やら話をしている原田先生をじっと見つめながら、どんどん早くなっていく心臓の音。


どうしよう。

もっと知りたいよ…原田先生。


そう思った時、

原田先生がばっと上を見上げて、目が合ってしまった。

慌てて目を逸らす。

屋上とサッカーのゴールは結構距離がある。

気のせい…?

そらした目をちらりと原田先生に向ければ、まだこちらを見上げている原田先生と再び目が合った。


表情は小さくてよくわからないけれど・・・

ニヤリと少し笑った気がして、その雰囲気に更に更に鼓動が早くなる。


ああ…だめだ…


原田先生のあの落ち着くにおいに包まれたい。

優しい声で名前を呼ばれたい。


どきどきどきどき


気がつけば、業者の人と別れて原田先生は校舎に戻りはじめていた。
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