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【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第7章 横暴な要求


それは本当に衝動だった。


何も考えず…


ただただ原田先生の近くまですぐに行きたかった。

私は屋上を出て、全力で階段を下りる。

向かう先は…


体育準備室。






ガラガラガラと、ノックもせずにドアを開ければ、席について書類の束に目を通してる原田先生の姿があった。


ダッシュして息があがってる私を見て、

「そんなに急いでどうしたんだ?」

と、笑ってる。


それには答えず、無言で近づいた。


座ってる原田先生の背後にまわって…




ぎゅっ




後ろから先生の首に抱きついた。

「夢主(姉)?どうした?」

先生の心配が混ざった優しい声が聞こえる。

でもそれにも答えずに、私は抱きついたまま、大きく息を吸った。


大好きなにおいがする。


「…夢主(姉)?」

優しくて静かな声で私を呼ぶ声がする。


「ねぇ…先生」


心臓が壊れてしまいそうなほど、ドキドキしてる。

でも…

横暴に振りかざすんだ。

先生が私にくれた言葉を…


「私のわがままならなんでも聞いてくれるって本当?」


抱きついたまま、原田先生の耳元で。


「ああ。聞いてやるぜ?なんだ??欲しいもんとかなら、俺の収入考えて言ってくれよ?」


首元に思い切り抱きつかれてるにも関わらず、原田先生は笑いながらそう言った。


「ほんとにきいてくれる?」

私は念を押す。

「ああ、聞いてやるから言ってみろ。」

笑いながらも、優しい声。


「じゃあさ…」


どきどきどきどき

心臓の音は、もう原田先生に聞こえてるかもしれない。




「私のこと好きになって。」



横暴な要求を言い終えて、私は抱きついている腕に力をこめた。
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