第6章 【番外編】僕と彼女の間柄
昼休みが終わりそうになって、僕は教室へ戻る。
目の前に、さっき見た髪型。
「あ……」
思わず声を出してしまった。
なんだ、同じクラスのコだったんじゃない。
目の前にいるコの名前も顔も覚えてないなんて、改めてまだこの学校に…このクラスに馴染めてないことを思い知って、なんだか可笑しくなった。
次の日も昼休みに屋上へ行けば、昨日と同じように、女の子達の醜い言葉達が耳に飛びこんで来た。
相変わらず、反撃の声も、それに怯える声も聞こえない。
一方的な言葉だけが聞こえて来る。
そして、しばらくすると、屋上に平穏な時間がやってきた。
毎日毎日、彼女達も飽きないなぁ…
一体何に対して…誰に対して言ってるんだろ…
言われてるコは……
あれ??
そういえば…
昨日ここに居た人物を思い出して、僕は自分がいる反対側へ向かった。
そこには、昨日のコが居る。
――なるほど。
「ふぅ…」
そのコは大きな溜息をついて、空を見上げてる。
僕はそのコの隣まで行って、
「大変そうだね」
そう声をかけた。
少し驚いた顔をして、僕の方をしばらくじっと見つめてきたけど、構わずに僕は視線は空に向けた。
「聞こえてた?」
意外にも彼女の声は明るくて、えへへ、なんて笑ったりしてる。
「毎日毎日すごいよね」
僕がそう言えば、
「毎日毎日聞こえてたの?」
と、返ってくる。
「お昼寝をしようと思ってるのに、毎日邪魔をされるよ」
「お昼寝の邪魔しちゃってたんだ・・・ごめんね?」
謝られて驚く。君は謝る必要ないんじゃないかな、なんて思わず口に出して言ってしまった。