• テキストサイズ

【薄桜鬼 学パロ】サクラチップス

第4章 葉は緑、空は雨色


「あれは全国大会で去年2位だった風間君だよ。僕が東代表なら、風間君は西代表かな。」

風間君の名誉の為にもちゃんと伝える。

「ええっ?!す、すみません!!」

夢主(妹)ちゃんは心底驚いていた。面白いなあ。あー可愛い。

そんなやりとりをしている間に、すっかり駅に着いて部員達はそれぞれの帰路につく。


「おつかれさまでした!」

それぞれが声をかけあって解散した。…って言ってもみんな同じ電車で、同じ方向なんだけど。

千鶴ちゃんと夢主(妹)ちゃんと平助がなんだが楽しそうに話をしてる。

ガタン

電車が揺れて、大勢を崩した千鶴ちゃんを、千鶴ちゃんのすぐ後ろに居た一君が支えた。

ふうん。結構いい感じじゃない。

二人を見ながらそんな事を思う。ん?

「掴まっとけよ」

夢主(妹)ちゃんに平助がそんな事を言ってるんだけど…

「夢主(妹)ちゃん、こっちおいでよ。」

平助なんかに掴まらせないよ。

僕の側に来た夢主(妹)ちゃんに、

「今日のお祝いに二人で駅前のアイス食べて帰ろうよ。」

と、声をかけた。

「アイス!駅前のって、最近出来たとこですよね?この前TVで紹介されてて、行ってみたかったんです!わーい!アイス!」

目を輝かせて、持っていた剣道道具一式をぎゅうっと抱える夢主(妹)ちゃんが可愛い。

本当は一つ前で降りた方が僕の家は近いけど、夢主(妹)ちゃんと同じ駅で降りて帰る。

車両内の一君や平助達に「ばいばーい」と声をかけて、電車を降りた。

「トッピング何にしようかな?うー楽しみ!」

隣にはアイスで頭いっぱいの夢主(妹)ちゃんがいる。


今年の関東大会は、僕が一番で、二番が一君、三番が平助だった。女子は夢主(妹)ちゃんが三番だった。

大会の結果も嬉しいけど、それより大会の帰り道がこんなに楽しいのなんて初めてでなんだかくすぐったい。

大会の帰りは、他校の女の子達を冷たく突き放した罪悪感なのかなんなのか、いっつもなんだかイライラしてたけど…今日は楽しい。

うきうきしながら少し前を歩いて、階段を降りる夢主(妹)ちゃんに、

「転がらないでね?」

と言って横に並んだ。
/ 255ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp