第4章 葉は緑、空は雨色
ねえ夢主(妹)ちゃん…
君が入学して来てから、僕は毎日が楽しいんだ。
この気持ちの正体を、僕はあんまり興味がなかったけど…
少し興味が湧いてきた気がするよ。
夢主(妹)ちゃんが選んだアイスには、フルーツがたくさんトッピングされてた。
二人で向かい合わせで座ると、僕のアイスにおっきな苺が乗せられる。
「沖田先輩、優勝おめでとうございます!お祝いにどうぞ!」
苺の他に、マンゴーとキウイも僕のアイスに乗っけながらにっこりと笑う夢主(妹)ちゃんに、ぎゅうっと胸が苦しくなった。
「わー!おいしい!」
ってアイスと一緒に溶けちゃいそうな夢主(妹)ちゃんの口元にはほんの少しアイスがついてる。
「アイスついてるよ?」
指で拭うフリをして、そのままそこをペロリと舐めた。
「$€%☆*+÷£#!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
声にならない声を出して、金魚みたいに口をパクパクしながら真っ赤に染まる夢主(妹)ちゃんは、しばらく固まって動かなかった。
「アイス溶けちゃうよ?」
なんて、言ったけど、さすがに口元はまずかったかな?
まあいいや。
ぎゅうって苦しくなったお返しだよ。