NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第12章 大切なもの
正直、なぜこれにしようと思ったのかは自分でもよくわからない
確固たる根拠があるわけでも、ましてやこれが優れた武器でもない
何の変哲もないただのスライド式手鏡
それが今雲雀くんの手の中にあって、これから私の匣に入れられる
炎とうまく結びついて特殊な武器になるのか…それともただの出し入れボックスになるか……
正直無謀な挑戦もいいところだ。金銭面でも匣一つ作るのにかなりの額がいるらしい。それを実験のように試してしまうのだから無謀だと言うしかないだろう
その辺は自分でも理解して、少し呆れてるくらいだから雲雀くんには「ご迷惑をかけます」としか言えん。
「あとは貴女の炎を入れるだけだ。遅刻した分、ちゃんと炎入れてもらうよ」
『うぐっ…ハイ、カンバリマス』
朝練のときリボーンに教わった方法で炎を灯す
私はリングに炎を灯すのがイマイチで、風に炎を乗せることはできるようなのでリングを風でコーティングしてそこに炎を乗せる風にした
リボーン曰く、「ちゃんとしたリングが完成すれば炎も灯りやすくなるぞ!」だそう…
本来リングはボンゴレリング以外ランク付けされた特殊な石を使って作られる
私の風に相性のいい石があればいいのだけれど
おっと、余談が過ぎた
それじゃあ、炎を入れます。
カチッと匣にリングをはめる
「…ッ!!」
匣からぶわーっと白い光が溢れる
『わっ…!何!?』
左手に持った匣がカタカタと揺れ始める
なに、これ…!
匣が段々熱くなってきてる…
それになんか…脈打つような……
ドクン
ドクン
(………………)
ドクンッ
(………ォ…カエ……リ……)
『え…?』
刹那
ブワッ!!
強烈な熱風と光に押され、思わず匣を手放してしまった
何なのこれ…っ、あつい…!
さっきの声は…一体……
「全く久しぶりじゃ…数十…いや、数百年ぶり、かの」