NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第12章 大切なもの
「そこまで!勝負ありだゾ!」
まだ獄寺くんとスクアーロは戦い続けていたが、リボーンの甲高い声が止めさせた
「その氷はただの氷じゃねぇ。直ちに解かねぇと大変なことになんぞ」
試合が止まったからか、スクアーロが戦いのさなか見せることのなかった焦りを、丸出しにしてかけてきた
こんなにも焦る彼の顔は初めて見た
「早くリングを寄越しやがれぇ"っ!!」
「っ、おい何勝手に…っ!」
『お、落ち着いてよ隊長....っ、平気だって、こんくらい』
獄寺くんからリングを奪い取ろうと胸倉を掴む。そんな危なっかしい彼を見て心配させまいと、咄嗟に吐いた言葉にキッと睨み返された
「ボスがその氷に何年閉じ込められたと思ってやがる!!」
『っ!』
あまりに真剣な物言いに、私は何も言い返せなくなった
スクアーロがボスに特別な敬意を表していることは知っていた。上司と部下なのにそれを超えた主従関係にも見えたし、ただの友達みたいにも見えた
だからスクアーロからボスのことを聞く時は、いつも真正面から受け止めてた。なんの言い回しも気遣いもないことを知っていたから
『……ごめん』
10年間ずっと、ヴァリアーはボスを待っていた。10年もの苦痛を与えたボンゴレの氷を今も目の前にしているんだ、スクアーロは。
これじゃあ、素直に沢田くんを褒められないや..........
「落ち着けスクアーロ!ここに守護者が全員揃ってねー限りいつまで経ってもこれは解けねぇ。」
「なんだとぉ"!?今すぐ守護者を集めて来やがれ!!!」
「テメェ、リボーンさんになんて口を.....!」
イラついているスクアーロと、楯突く獄寺くんはまるで水と油で、両者の間に火花が散っていた。
ていうかこの氷守護者全員揃わないとダメなの??
え?詰みじゃね?