NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
風は私の見方
何があっても、風だけは私と一つ
体の芯から指先まで……繊細に
上!
ブォッと舞い上がる砂そして、それに紛れてさっき仕込んでおいたアレ…ワイヤーを壁に突き刺す
私のはベルみたいにナイフのような囮役がいないから砂とかで誤魔化すしかない
(これをやるためにあのコンテナを壊させたんだよん)
次、右、
ナイフで攻撃を交わし、私が追い詰められているように見せかける作戦
「小細工入らないよ。」
ヒュンッヒュンッ
『チッ、今出すかな、それ』
トンファーの先から垂れた鎖。それをヒュンヒュン振り回してせっかく仕掛けたワイヤーも砂も晴れてしまう
ワイヤー足りないけど…アレをやるしかないみたいね
私は雲雀くんに落とされた分と手に持っている残り少ないワイヤーを風で舞いあげる
それを一つにまとめて風で包む。
傍から見れば私が片手をあげて宙を掴んでいる感じだ。
その隙に雲雀くんが間合いを詰め、トンファー兼チェーンを振り回しながら突っ込んでくる
(間に合え──……っ!!)
ナイフを後方へ投げ飛ばし、すぐさま右手を雲雀くんへ向ける
そして握った拳を一気に下へ、振りかざした
ドォンッ
「ッ!」
私の右手から放たれた暴風は、雲雀くんへクリティカルヒット。両者吹っ飛ばされる
更に私と距離の空いた雲雀くんを風を纏ったワイヤーで360度包囲
『ちょっと足りないけど…咲け 薊千華ッ!!』
包囲した状態の雲雀くん目掛けてワイヤーは雲雀くん一点に突き刺さった
『え…っ、』
…はず
「この程度かい?」
私の目の前で戦闘狂は口角をあげて挑発的な笑を浮かべていた