NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
ヒュンッ
コンテナを飛び回り、手持ちのナイフで攻撃を防ぐ
雲雀くんは間合いを詰めて私に他の武器を取らせないようにしてくる
(チッ、近すぎて攻撃防ぐので精一杯か…よし、アレやろう)
ナイフは基本片手で十分扱える。空いたもう片方で、ワイヤーの入ったポケットに突っ込み、アレをやる
「まだまだ余裕そうだね」
ニッ、と楽しそうに口角を上げる雲雀くん
まだここへ来て日は浅いが彼が重度の戦闘狂だということは嫌という程わかった。
『舐めてもらっちゃー困るよ』
今日はその無茶ぶりに付き合ってあげるとしよう
(よし、準備できた)
私は体を後ろに倒し、そのまま一つ後ろのコンテナに飛び移る
宙に浮いているその瞬間、
それを狙った雲雀くんは大きくトンファーを振りかぶりさっきの倍のスピードで突っ込んでくる。
きた
この時を待っていた
雲雀くんとの距離があと30センチ程になった瞬間、掌に力を込める。体を右に捻り、雲雀くんを横目で見る形になる
(いけ…!)
刹那
掌に込められた力は風となり、強く、放たれる
「ッ!」
それは一瞬で、私の体を後ろへ飛ばしてみせた
ドガーンッ!!
コンテナの破壊される音。バキバキと割るプラスチック
どうやら読みは当たったみたいだ
コンテナの中に入っていたのは──…
「砂…?」
大量の砂
黄土色でサラサラした砂漠の砂だ。一度砂漠を渡ったことがあるからこの独特な匂いは覚えている。
ああ、そういえば言ってなかったね。
『私、超鼻良いんで』
「だからなに?」
(あ、怒ってら)
さっきと打って変わって冷たく鋭い雰囲気に包まれた。殺気も増して肌に刺さってくる
けど、この砂を外に出してくれたから。一つ優勢になった
左手を音楽の指揮者のようにふわっと持ち上げる
『風たちよ、…舞え』
私が風を操る時に必ず言う言葉だ。それが私の"武器乱花”の由来でもある。
さぁ、踊ろうか