NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
『…私はそこである人と出会った』
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見下ろした冷たい目をした両親を見たのが最後
真下に落ちていく浮遊感と叩きつけられる海面、突き刺さる鋭い岩
そして何より…
光の届かない酸素のない世界
体が沈んでいくとともに視界が霞んで暗くなっていく
何度も肺に水が入って息の仕方がわからなくなる
どこが右で左なのか…上か下かさえもわからなくなってとにかくもがいた
その度手足が岩にあたり、激しい海水の流れに揉まれる
そうして私は意識を失った
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『……っ…っぁ!!』
次に見たのは、雨漏りしているのか腐り始めた古い天井
「…目が覚めたのかい」
そこには鍋で何かを煮込む老人の姿があった
しかし、私はその頃人を…恐れていた
人が暴力と罵声の塊だと…残忍の塊だと思っていた
だから私は恐れ、恩人を拒んだ
しかし…
言葉が伝わらなかったのだ
「日本人の子供か…こんなに怯えて…可哀想に」
最初は怯えて飲み物ですら受け付けなかったが、食べ物を出された時、長い間何も食べてなかったため私は恐れを忘れてガッツいた
そうやって私は少しずつ“人”知った
老人のことを「じぃじ」と呼び、彼に言葉を習った
私はそこで“人”になったんだ
しかしそれはやはり脆かった