NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
『私…みんなにまだ話してないことだらけだけどさ、何ていうかその─…“信用”?されてるっていうか…仲間意識してもらえてるなって思ったらなんだか急に申し訳なくなって』
「何言ってんだぁ。俺たちまだ出会ってちょっとしか経ってねぇだろぉ」
“当然だろ?”と言わんばかりの表情で返される
彼の言い分は最もだが…
叶風は明らかにしょんぼりした
やはり、必要以上に踏み込まれない、、近寄りがたい存在なのか、と
「……これから知っていきゃあいい」
『え…』
私は思わず、ロン毛の方を向いた
そこにはそっぽ向いた姿があり、その姿がまるで構ってほしい子供が強がっているかのようで、……可愛いと思った
そして何より、私を受け入れてくれる初めての言葉が嬉しかった
…私は人を信用したことなんてないから、本心で向き合うということを知らない
加えて不器用で貪欲だから沢山を求めて傷ついてしまう
そんな私を「知ってもいい」と……「関わってもいい」とあちらから近づいてきてくれている
だから私も、自分のことを知ってもらいたいと思った
…例え、どんな過去だとしても
『そう言ってくれるなら…私のこと話すよ』
その言葉に彼が視線をこちらに戻した
『でも、今日はロン毛限定ね』
少し気恥しそうな笑み
その笑顔は作り笑いでも、染み付いた営業スマイルでもない
年相応な笑顔だ
「…っ、ああ」
彼が一瞬ドキッとしたのは言うまでもない
しかし、この感情に気づかないだろう
『……私ね、生まれは日本だけどその時私は“人ではなかった』
彼は黙って聞いている
いつもの爆音はどうしたのだろう
『確か捨てられたのは4.5歳…自分の名前も誕生日だって知らなかったから詳しくは覚えてないんだけどね』
「…親はどうしたぁ」
ロン毛は少し聞きにくそうに気を使いながら聞いてくる
『……生まれて、私のまだ不安定な力を見て怯えた。そして私は捨てられるまでストレス発散の道具として扱われた』