NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
スクアーロside
武器乱花っていやぁ、正体不明の暗殺者じゃねぇか
依頼人ですら顔を見たことがない
女だとは聞いていたが、まさかコイツだったなんて…
『信じられない?』
楽しそうに口角を上げて俺に聞く叶風
「まぁ…驚いたぜぇ。やけに戦闘センスがあると思ったら…そういうことだったのかぁ」
『みんな気づかないんだもん。私からネタバレしちゃった』
「あのボスさんのことだどうせ知ってて俺達に黙ってたんだろうなぁ」
『かもね』
コイツの戦闘センスはベルにも匹敵する
もしかしたらそれ以上……
「俺はとんだ原石見つけちまったようだなぁ!」
我ながらコイツをスカウトした俺、良くやったと思う
うんうん、と頷いていれば叶風から次の要求が来た
「今度はどうしたぁ…?」
『私の隊服、今のままじゃ武器の仕込める数が少ないから改良して欲しいの』
「なら、まずはルッスーリアに相談だなぁ。この隊服のデザインやら何やら仕切ってんのはアイツだぁ」
『おぉ、ルッスが…スッゲェー』
そんなにすげぇか?
服の価値がわからない俺には叶風の褒めどころもわからない
『じゃあ、帰ったらお願いしてみよう』
「あ"ぁ」
先程まで溜息塗れだったくせに、もう期限を良くしてやがる
気まぐれなヤツだ
【スクアーロは叶風なことが好きなのな!】
ふと、山本の声が頭をよぎった
俺がコイツを“好き”かぁ…
…ありえねぇな
意外とコイツはドジだし、一々騒がしい。その癖戦闘センスやらボスに気に入られるやらで何かとヴァリアーに一目置かれている
出会った頃はあんなに殺気めいた目をしてやがったのに…
今はもうそんな目を向けられる事はない
それが何故か…
妙に胸の中でストンと収まるんだよなぁ
よくわからねぇな、この感情は