NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第11章 雲雀恭弥を訪ねて
「そこに座って」
あれから少し揉めたりもしたが、何とかロン毛の方を説得して我慢してもらった
“ロン毛は山本くんと仲いいんだから、剣でも交えて待ってて!”
考えてもみろ、私の目の前にいるのは狂った戦闘マニアみたいな人だ
鮫相手の方が話せるに決まっている
『これは?』
雲雀くんに渡された作りの雑なリング
中の導線かなにかがむき出しになっている
リング中央部分には丸い平らなものがついている
「それは炎が何属性なのか調べるためのリングだよ。例えるなら乾電池と豆電球…プラスとマイナスさえ間違わなければ体内に流れる波動をリングに送り込み、豆電球が着くように炎が灯る…そういう仕組みさ」
『なんかよくわかんないけど…死ぬ気の炎をこれに灯せばいいんでしょ?』
ロン毛との修行でどうすればいいかは教わってある
“死にたくない”
ぽっ
『あっ!出た!』
けれど…
「小さいね…君の炎はこんなものじゃない。覚悟が足りないね」
覚悟が足りない…?
『死にたくないっていう覚悟じゃダメなの?』
雲雀くんは少し考える動作をした
「…君は何故死にたくないんだい?その原点こそが本当の覚悟なんだと僕は思うけど」
何故…死にたくないか、か…
私は目を伏せた
そして考える
何故死にたくない?
生きたいから…?
じゃあ死んだらどうなる?
一人ぼっち、になっちゃう…
1人は嫌だ…っ
折角居場所を見つけられたと思ったんだ…!!
ヴァリアーのみんなと…生きたい
1人になりたくない…っ
「ワオ、君、やれば出来るんだね」
雲雀くんの声に目をゆっくりと開けた
『…ッ!…綺麗』
私の指に灯るのは、真っ白な炎
不規則に橙色、赤色、青色、緑色、黄色、紫色、藍色が混ざっている
「君の炎は初めて見るね…これは炎の中に様々な属性の炎が少しずつ混ざっているのかい?」
『わからない…私は初めて見た…』
炎をまじまじと見る2人
「そいつは風の死ぬ気の炎だな」
私のすぐ近くから聞こえてきた声
「ちゃおっス」
その声の発信源は私の肩の上にいた