NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第12章 大切なもの
───────………
───ぃ、……ぉい…ッ!ゔぉおい!!起きろ叶風ッ!」
『っぁ…!?』
耳に木霊する声と、頭がグラグラ揺すられるような感覚で一気に意識が浮上した
…クラクラする
「しっかりしやがれぇえ"」
あれ……私さっきまで匤と…
「主廊下で急に倒れたんじゃよ」
『え、嘘、歩きながら寝落ちたパティー……ン?』
揺れる視界を押さえ混むように額に手を当て、起きあがる
ん?……あれ?、あれあれ?ちょっと待てよ??
『うわぁあ!匤!!何してんの!!』
「うぬ!看病じ」
「それは俺がやっただろうがぁ!てかほとんど俺にやらせただろうがこのクソミソカス狐ぇ"!!」
横から入り込んだのは、ガラガラの叫び声を上げながら長い銀髪を揺らすスクアーロだった
『え、えっ!?ちょっ、どゆこと!!』
ただ1人、状況が飲み込めず匤に問いつめる
あたふたする私と叫ぶスクアーロ、合わせて平然といる匤で一室はいっきに賑やかさを増した
「主が廊下で倒れた後、わしは必死こいて匣から出て此奴を探して引っ張ってきたんじゃ!」
そんなに自信満々に胸張るなよっ
あの時一緒に決めた覚悟とは一体?
「まーまー、そうジト目しなさんな。結果オーライじゃろ」
『よく』「良くねぇ"」
被せ気味に怒鳴るいつもの声
ったく、寝起きに堪えるなあ…まったく。
『たいちょーびっくりしたよね、ごめんごめん』
「何だその平謝りはよぉ!!ちゃんと説明しやがれッ」
この人は大抵突然のアクシデントに怒る。
任務じゃ臨機応変に対応したとしてもその後で怒鳴る
いーじゃんかよ、結果オーら
「なわけねぇだろ」
『すんません』
この人が叫ばない時が1番怖い気がする
いや怒ったのが怖いんじゃなくてね?なんか静かなスクアーロは不気味…げふんげふん
これ以上はやめとこ。何気なく読心術使うからなコイツ
『この姿が本当の姿で』
膝の上に乗った匤を抱き上げて、スクアーロの目の前にずいっと突き出す。
『もふもふで』
「かわいいじゃろ」
2人してニヤリと笑ってみせる。
「遊ぶんじゃねぇ"ッ!続き!!」
『「ふぁい」』
握りしめた拳が私たちに降りかかる前にやめようと、心の中で誓い合った。