• テキストサイズ

NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】

第12章 大切なもの




『ちょっ、どういうこと!!』


手に握りしめた黒のアーチェリーに向かい、小声で問い正した



(そう叫ばんでも聞こえとる。主にピッタリじゃろ!わしは都合がいいんじゃ)


今匤が得意げな顔して胸張ってる姿が想像出来た……


「さすが、武器乱華だな」


リボーンの言う通り、名に合っているかもしれない

共有しているから、そこまで全部わかった上でこの姿をとったのか。



『この子の名前は匤。Specchio d'acqua6°(スペッキオ・デ・アクア)』


「6番目の、水の鏡だぁ"??」


今さっき思いついたイタリア語を口にしたあとで、隊長がそれを日本語に直して聞き返す。


『元々これ私の持ってた鏡なんだよね。ちょっと特殊なやつでさ。最後の6は、今までに無くしたと思った回数』


調整のために、弦を指にかけ少し引いてみる。

うん、大丈夫だ。



『けどこれ、矢がない。どうしよう』


この弓自体が匤なわけだから、矢になれるわけもないか。消耗品だし

適当な棒を矢にする訳にもいかない。筈が付いていないと、矢は弦に嵌らず、飛んでくれないからだ



「貴女の風を代用すればいい」


『え、風を?』


至極真っ当と言った顔で雲雀くんは言う。簡単に言ってくれるがかなり難しいことだ

たぶん私が風を刃のように、薄く鋭くして飛ばしたのを見てそうそう思ったのかもしれないが、矢となると中るまでその形を保たねばならない

鋭さと、崩れない硬さを持ち合わせた矢にするには、相当な集中力と最後までコントロール出来なければならない……しかも1本にかける時間が長すぎる。

卒無く矢を作り、次の一手との感覚をいかに通常のものにするか…いや、それ以上にするかだ



とにかく練習がいる



『簡単に言うけど、それには時間がかかる。今すぐにはできない』


武器を扱うことは難しいことじゃない。むしろ初めて使うものであっても使い方さえわかればなんてことは無い。

けれど自らが武器を生成して操りながら使うのはまた別の話だ


私が持ち合わせている技量とは異なるもの…。


何せ風を具現化するのは初めてやることなんだ



『時間が欲しい。この子について知りたい。1人でやらせて』

/ 117ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp