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NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】

第12章 大切なもの




『とっ、とりあえずこの煙から出よう!匣に戻れる?』


そろそろ戻らないと。

戻ったら戻ったで隊長や雲雀くんに力試しとか言われて強制訓練されそうだけど……


「良いではないか。主はまだ成長途中なのだし」

『相手がちげーー』

「そろそろ煙から抜けるぞ」


そこまで厚くないと思っていた煙はかなり範囲を広げていたらしい
少し歩くと煙が薄くなっていくのがわかる。


匡はというと、匣の中から私に話しかけている。この調子で煙が晴れてからも話しかけられると非常に困るのだが……


「安心せい。そんなヘマはせんよ」


その言葉を最後に、紫色の視界はスッキリと晴れ、匣からは声がしなくなった



「う"おぉぉおい!!ちゃんと匣兵器は出来たんだろうなぁ!」

「一体どんなやつなんだ?」


煙を抜けて1番に駆けつけてきたのは隊長と山本くんだった


「さっきの煙も含め、テストしてみないとね」


予想通りトンファーを構えて怪しい笑みを浮かべる雲雀くん。頼むから近づかないでほしい


「俺も気になるぞ!出してみろ叶風」


山本くんの肩にリボーンが乗って合計5人に迫られることになる


(いやー私ってほんとモテるな。どうする、匡)


心の中で名を呼んでも、あの年寄りじみた声は一向に聞こえてこない


(おいおいおい!!!どうすんの!いいの?!あけるぞ!!?)



「こ、ここで開けるの…?」

「あぁ、スペースは十分にあるしな」


だ、大丈夫なんだよね、匡…?


恐る恐るリングに火を灯し、匣に注ぎ込む。
匣を持つ手がじわりと嫌な汗をかいている


いやいや、冷静になれ。もし匡が狐の姿で喋っても興味深々で襲われるだけだ。さっきのスクアーロ(黒髪)の姿でも……いやいやいや!!それは流石にまずいだろ!!

さっき閉まった時はスクアーロの姿だった。もしそのまま出てくるならかなりまずい



(頼むっ!狐の方で!!!)



ぼふんっ!!!


先程の紫色の煙を少量出しながら、その姿をあらわにする


皆の視線が私の左手に注がれる。それにつられて見てみれば私の左手には黒いアーチェリーが握られていた


………はい??


「武器を入れたのか」

「手合わせしてみたいのな!」


狐でもなければ、スクアーロの姿でもない…




なんだこれ!!!
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