NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第3章 初めまして
『ねぇ、ロン毛』
「ロン毛はやめろォ!!」
『ベッドが一つしかないんだけど』
ロン毛の叫びを無視して気になることを早速質問
「うお"ぉい!無視すんなァ!!」
『質問してんのはコッチ!!』
なんかデジャヴ
いや、、そうじゃなくて問題はベッドが一つだということ
「………じゃあ、俺がソファで寝る」
『……………あのちっちゃい椅子のこと?』
部屋を見渡してもソファと呼べるものは何一つない
唯一小さな椅子とテーブルがあるだけ
例え体が細身で小柄だとしても、男の人にはキツいんじゃないのか
『…私があっちで寝る』
「いい。お前はベッドを使え」
『いいや、部屋を借りる者としてこれ当然だから。私はアンタの客じゃない』
「めんどくせぇなァ!客だとか関係ェねぇだろうがっ!!使えってたら使えばいいんだよォ!!」
『私はアンタより小柄だし、慣れてるからいいの!なんと言われよーが今日はそこに寝るから』
私は勢いで部屋を飛び出してしまった
だって、アイツ頑固だし
ま、いいだろ
そうやってふらふらと廊下を歩いていると、丁度ボスの部屋が空いていた
ソファに座り、テーブルに足を乗せて
部屋から覗く彼の表情は、とても不機嫌だった
『どしたんボス』
空いている扉の所で立ち止まる
「口の利き方に気を付けろカス」
『不機嫌すねー。酒の飲みます?』
丁度ミニデスクの上の空のグラスを発見した
「…………テキーラ」
『りょーかいです』
部屋に入って、酒のある棚からテキーラの瓶を取り出す
氷はまだ残っていたのでそのままグラスにコポコポと注いだ
『どーぞ』
ボスは無言で受け取ると一口、口に含み喉を通す
『強いですねー』
「…テメェは飲まねぇのか」
『え、飲んでいいんスカ』
お、ボスからそう来るとは、予想外
「…………好きにしろ」
『じゃあ、好きにします』
実はお酒が結構好きだったりする
今までの商売上でも、強くなきゃいけなかったから
ボスと同じテキーラをグラスに注いだ
「ふっ、…いける口か」
少しだけ上がった口角
初めて見るボスの笑った顔だった
『ええ。好きですよ強いの』
私も同じように笑ってやった