NONFICTION【家庭教師ヒットマンREBORN!】
第3章 初めまして
「テメェにはやってもらうことが山程あるが…あとでカス鮫にでも聞いておけ」
『りょーかいですボス』
山程あんのかーめんどくさ
「……“風の使者”か…」
ポツリと呟かれたボスの言葉を私は聞き逃さなかった
『え?』
「動揺してるな。てことは当たりか」
私の動揺した声を聞くなり、鼻で笑った
『知っ、てる…の…?』
「ったりめーだカス」
私が初めて力を使った時、“風の使者”と呼ばれた
その理由を知るためにも暗殺業に潜り込んだ
そして、現在“風の使者”について知っている情報はごく僅かだった
『どのくらい、知ってるんですか…』
恐る恐るボスに訪ねた
自分のことを知って怖いと思ったこともあった
そしてそれを聞く勇気と、受け止める覚悟が必要だとも学んだ
「知りてぇか」
ニヤリとボスの口元が円をかく
私はコクリと頷いた
するとボスはテーブルにグラスを置いて立ち上がり、私の座る椅子までくる
そして、通り過ぎ際にこう言った
「次の任務、遂行できたら教えてやる」
背中越しに聞こえる扉の閉まる音にボスが出ていったことに気がついた
『任務遂行後って……』
せっかく心の準備したのに…
少し項垂れる叶風であった