第1章 レモンの憂鬱
翔side
櫻「んっ…」
ゆっくり目を開けると、だんだん見覚えのある天井にピントが合ってきた。
ここは……ニノん家?
俺はベッドの上で仰向け。
寝てたのか、、
ニノに、寝かせてくれたお礼を言おうと思って起き上がろうとした。
カシャン
妙な金音(かなおと)に違和感を覚えた。
手首、足首にはそれぞれ手錠がついていて、俺はまるでミノムシ状態。
ベッドから降りる事も出来なかった。
櫻「…は?」
部屋の明るさからして、まだ外は暗いようだ。
扉の隙間から漏れる明かりは、きっとリビング。
ニノが居る…
櫻「おいニノ、どういう事だよ!っ聞こえてんだろ、なぁ!」
扉がゆっくりと開いた。
二「あ、翔さん。お目覚めですか。」
櫻「何のんきな事言ってんだよ!これ早く外せって!」
ベッドに歩み寄ってくるニノ。
顔には俺を薄ら笑うかような表情を浮かべる。
そして、その手には…
櫻「…生クリーム?」
二「当ったりぃ~。、、んでこっちはチョコレートソースね。」
櫻「それでどうする気だよ…」
二「今から翔さんをね、食べるのっ♡」
天使の囁きは、蜜の味。