第1章 レモンの憂鬱
二宮side
俺は翔さんが好きだ。
もう、ずっとずっと前から。
その人は一緒に仕事をしている仲間だし、
しかも男。
でも、翔さんを思う気持ちは他の女の子と変わらないんだよ?
翔さんと一緒に居たいって思うし、
触りたいとも思うし、
キスだって、その先だって……
気持ち悪いのも将来性が無いのも分かってる上で、俺はあの人が好きなんだ。
…誰にも邪魔なんてさせない。
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今日は火曜日。
レギュラー番組の収録があるので、俺はTV局に向かった。
…楽屋の扉を開けると、誰も居ない。
そりゃそうだ。
俺はいつも一番に着く様にしている。
なぜなら、、
ガチャ
櫻「よっ。」
二「お疲れ様でぇす。」
櫻「相変わらずその声のトーン気ぃ抜けるわ笑」
二「そぉですかぁ?笑」
櫻「今わざとだろっ」
ばれた~笑 とか言いながら、心ん中では超絶ハイテンションな俺氏。
…そう。楽屋に早く来る理由は、翔さんと2人きりになれるから。
誰にも邪魔されないこの時間が、俺にとって凄く幸せ。