【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第6章 少し早めの、終末期。
【一松】
それは……
風邪を引いたかのような、
泣くのを我慢しているかのような、
薄い膜の枯れた声でした。
その“声”は、犯罪者の自分に、『お前に罪はないよ』と言われているような、
胸の中にある泥がろ過されていく気持ち悪い感覚を覚えた。
そもそも、自分はこんな場所にいていいのか。
自分は罪人だ。人を殺めた。神を侮辱した。
兄を捨てた。
こんな人間は、教会にいていいのか?
悪魔に憑かれた弱者は悪魔と共に、死ぬまで一緒に居た方がいいんじゃないか。
「…帰ります。僕は、おそ松と一緒にいた方がカラ松神父の為なのですよ。」
まだ、熱くて重い体を神父に知られないように、歩く。
そんなはずだったのに…
「一松…」
名前を呼ばれた。
「1人に…しないでくれ…」