【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第6章 少し早めの、終末期。
それで今、こんな状態である。
痛くはない。辛くもない。
ただ、胸にぽっかり穴が開いたように無の自分がいた。
天界を捨てて後悔するものなんかは、特に思いつかない。
ただ、物足りなさが開いた穴をさらに拡げていくようだった。
この邪魔な羽が、怖い。
兄さんが見たらどんな反応をするんだろ。
『お前も悪魔になったのかよ!俺と同じだなぁ!悪魔同士、また仲良くな!』
そう、わらいかけてくれるか。
『俺と同じ道を進むなアホが。お前は俺みたいになって欲しくなかったのに…』
そう、同情されるか。
『俺は昔の優しい神様の俺じゃねぇぞ?お前には失望したよ。』
………
いや、よそう。そういうのは余計に不安になる。
…そう思うも、まだ僕の心はぽっかり穴が開いたままだった。