【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第5章 それぞれの想いが、交差する。
【カラ松】
一松の事を聞きたい。
もちろん一松に何があったかの怒りもある。
ただしこの怒りは微かで、正直、一松が無事にここまで帰ってきた安心感の方が大きかった。
…まぁ、無事とは言い難いが。
「…見りゃわかんだけど俺と一松って悪魔と人間じゃん?」
「それがどうした?」
「一松みたいな人間でも、悪魔と過ごし続けて体がもつわけないのよね。まあ、これは俺が人間に関する知識が無知過ぎたのがいけなかったんだけどさ。」
「ちょっと…意味がよくわからない。」
「だって…そんな事言ったらお前怒るだろ…
…一松が苦しんでるのは俺のせいって事だよ。」
「…………」
この、悪魔のせいで一松は……
何か、注意されて初めて気づいた。
俺は、一松のことしか考えてなかったんだ。
俺が一松から奪った、『兄弟だった記憶』を。
罪として考えすぎていた────?
「一松は、治るのか?」
「俺の呪いみたいなもんなんだけどね、一松は…
…治すにはカラ松、お前の力が必要だ。
神父でもあり、俺を排除する為のエクソシストでもあるお前の力が。」