• テキストサイズ

【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》

第4章 死神、シスターの代わりを。


【カラ松】

自分は一体何がしたかったんだろうか。

死神のトド松に聞いてやっと理解した。

こんなにもバカだったんだ……自分は。
それでよくここまで一松の保護者をつとめてきたものだ。

神父の身を知りながら、目先の事を優先して己を殺す。

「…クソッ」

だが、トド松は俺の肩を優しく撫でた。



「大事な人を救えるんだ、魂なんかどうだっていい。」

「……え?」

「僕が神父と同じように命を犠牲にして、大事な人を守ろうとしたとき言った言葉です。」

大事な人を救えるんだ、魂なんかどうだっていい。
本当に今でもそう思う。
でも分かる。それは言葉を綺麗にした言い方で、本当の意味は、

他人の望みを勝手に決めつけて、周りを見ずに己を殺す。
俺は、地位も力も愛も持っていながら、飢えていたのか。

「それで、天界から、身を投げたんです。」

「そう…か…」

「だからせめて、これで後は死ぬだけなんて思わないで。僕のような後悔はさせたくないから。悪意と後悔だらけに満ちた魂なんて僕は狩りたくない、錆が更に酷くなっちゃう。」

彼が持っている鎌は、天使がどれだけ人を殺めたのか、悲しい位、分かる。
天使だった彼にとって、人を殺めた時の感情はどれくらいなんだろう。
どんなに辛い思いをしたのだろう。

きっと…俺よりもずっと。
/ 175ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp