【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第3章 鎌に滴る、血の雫
【一松】
「……寒い。」
身体を擦っても、摩擦熱はほんのり暖まってすぐに消える。
これの繰り返し。
昼間、おそ松が魔界に行ってくると言われて、感覚では12時間。
自分の手のひらもぼやけるほど暗く空が染まってしまった。
「おそ松…帰ってきて…」
心細い。
外では雨が降っていて、簡単な雨宿りでは、空気が湿る一方。
肩も少し濡れて、乾く前に湿りが染まる。
寂しくて堪らないのだ。
「いつもみたいに…突然帰ってこないかな…」
そんな淡い声も届かず、ふいにカラ松神父の事が頭に浮かんだ。