【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第2章 独りの神父が、護りたいもの
一松はエクソシストの才能はあったが、教会でもマナーや知識などが全くもって無かった。
そのせいで一松はほかのシスター達に注意を受けたり、叱られる事もあった。
それはそれで普通だと思う。
働かざる者食うべからず。
真面目に働いてこそ一人前だと一松も知っていたのだろう。
けれども一松は努力を否定した。『頑張っても結果が出なければしていないのと一緒。認められないのならばやらない方がいい』と。
ベッドの上で頬杖をつく一松に俺は頭に血が昇ってしまった。
『ほかのシスター達は認められなくても誰かのためになると信じて働き続けている。
それなのに一度認められなかったからといってお前は諦めるのか?それでも神に仕える身なのか!?』
叫んだあと、息をはいた。体温が一気に上昇した。
一松はびっくりした表情でこちらを見て、裾で目を隠した。
一松が、泣いている。
顔を真っ赤にして、裾を濡らして。
「……今は一人にして、兄さん。」