【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第2章 独りの神父が、護りたいもの
まだ俺が新米の神父だった頃。
一松がこの教会へやって来た。
一松と俺は、双子の兄弟だった。
兄と弟だった事や、学力の差で神父とシスターと言う身分に別れてしまったが、
一松は俺と一緒に神に仕える事が出来て幸せだったらしい。
この頃から俺は一松が好きだった。
少し寂しそうな表情に、
俺の名前を呼び微笑む姿に、
俺を兄として慕ってくれるその態度に。
惚れてしまっていた。
でも、ここは教会。神に仕える身であった。
恋なんて、罰せられてもおかしくない想い。
これはただの兄弟愛と言っても構わなかった。
それで終わってほしかった。