【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第1章 灯の明かり、月の誘い
一番可哀想なのは、チョロ松兄さんだ。
逃げた兄とわがままな弟。
『兄さんは悪魔になっても兄さんなんだ。』
そう言い訳して魔界に祈りをかける。
チョロ松兄さんみたいな考えも悪くはない。
僕もその場で手を組んだ。
真っ赤な死体に囲まれてね。
おそ松兄さん。
僕を覚えててくれてありがと。
僕も兄さんの事が大好きだよ。
例え悪魔になっても。
例え人間と恋に墜ちてしまったとしても。
僕は兄さんの事が大好き。
兄さんは何があっても、
僕の大好きな兄なんだ。
再会とは矛盾したことを想う。
なんだろうな…おそ松兄さんがシスターを庇って僕の鎌を受けた時。
頭の血管が千切れたような気分だった。
普通、何の情もない人間を庇おうとはしないよ。
庇った時、あぁおそ松兄さんはこのシスターが大好きなんだな。と思った。
よりによって教会の人を好きになるなんて。
陰険臭い教会の人間なんかより、
僕の方が…………