【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
【一松】
『全部無駄になった』
そんな言葉を最後に、僕はおそ松たちに会ってない。
目が覚めたら僕と神父は礼拝堂で倒れていたらしい。
もちろん教会はボロボロで、カラスの悪戯とは思えない程のガラス、黒羽。
そして、行方不明だった自分。
シスターはおかえりなさいと歓迎したけど、喜ぶ気にはなれなかった。
だって、ワケの分からない事が多すぎだ。
悪魔になった神様、羽が無くなったおそ松、僕を睨んだ片割れ様、悪魔を堕天使に変える力を持つ自分。
そして、“全部、無駄になった”
一体、何が無駄なんだろうか。
光に包まれて眠り、目覚めたら消える。
魔界に帰ったんだろうか。神様になったんだろうか。
それとも、もう見えなくなったのだろうか。
木の十字架に話しかけても反応はないし、夢には出てこない。
いや、夢におそ松は出てくるけど、全部幻想、妄想だった。生々しい夢は、2度も見ることは無かった。
しばらくした日、警察がきた。
なんでも、僕が行方不明だった日の間の調査らしい。
誘拐と殺人の件については、何も問われなかった。
指紋も足跡も、血も、証拠なんて呆れる程あったはずなのに、被害者の遺族からすら、何も言われない。
おそ松あたりの仕業と思って自己納得。
そんな、悪魔と関わらない日々。