【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
【カラ松】
ここまでの終始、一体何が起こったのかさっぱりだった。
緑の悪魔は一松に憎悪を向けて、睨みつけていた。
怖がると思ったが、それは杞憂で、一松は悪魔に進んで立ち向かった。
そして、壁の向こうで良く見えなかったが…
羽に近づいたら、羽が砕け散った…。
「!?」
急いで一松の元へ。
「一松!一体何を…」
「カラ松神父…あの…」
一松は、自分でもよく分からないと。
ただ、目の前にいるのは悪魔なはず。俺は十字架を悪魔にかざした。
それなのに、まるで気にもとめないかのように、痛みさえ訴えない。
「もう、悪魔じゃないよ…堕天使。」
契約の悪魔は、そう言う。
「悪魔が、堕天使に?」
「神父様が知らないの…?人間のキスは傷ついた悪魔を癒すんだよ。」
おそ松は自分の腹をさすった。
「ここにあった傷もね…」
その言葉に、トド松はビクッとした。
「おそ松兄さんは、その傷…大丈夫なんだね…そうだよね。随分経ったし。」
おそ松もトド松も、声色が低い。諦めた様な、顔。
「トド松…必死で隠したのにな…?」
「全部が全部、無駄になったね…おそ松兄さん。」
***