【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
「いっ…たぃ……」
息を荒く吐く緑の悪魔。
おそ松や黄色の悪魔、シスタートド松もそこに寄り添う。
続いて僕もそこへ行った。
「………」
「シスター一松…だっけ?僕はずっと見てたよ。君が他人に迷惑を掛けて、兄の存在すら忘れて、信者が悪魔と恋に落ちるなんて、どうかしてるよ…!」
「………!」
悪魔からの酷い言葉だ。
ただ、それだけで泣くような弱虫な自分じゃない。
「“双神の片割れ様”…」
おそ松が言っていた。
人間は、悪魔の傷を癒す力があるって。
割れた十字架を片割れ様に掛けた。金縛りにあったような少し苦しい顔をする。
本当は死ぬ位の痛みがあるはずだけど。割れた十字架でも効果はあったのか。
でも、その痛みが丁度いい。
「苦しみから…あなたを解放します。」
片割れ様の欠けた羽に、キスをした。
その瞬間、黒い羽はガラスだったかのように
カラフルなガラスと混ざって
片割れ様の背中には
“何か”がすっぽり抜けたような
そんな傷があった。