【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第9章 もう、全てを終わらせよう
そこで何かを悟った。
「あ─────────」
この教会は
一体誰に守られている?
「…神父、これが現実です。この教会は、なんの力もありません。」
もうここに神様なんていないのだから。
いないの…
………だから…
「…おそ松は双神の片割れ様で、シスタートド松は祝福の天使様だったんだよ。──そしてこれが現実。僕たちが祈ってたのは悪魔と死神。
ずっと、僕らが見下してたひと。」
「……いつから、知ってたんだ?」
「…半年前、位。おそ松が意味深な言い方してたし。ステンドグラスの赤い神様、なんとなくおそ松に似てました。…それで」
一松は目を擦った。
裾が濡れているように染みていた。
鼻を啜ると、
「カラ松神父、十字架。」
割れた十字架を指差した。
「えっ…?」
「僕のでしょ?せっかく作ってくれたんだから。」
意味も分からず慌てて渡す。一松はそれを首に掛けた。
十字架を握ると
割れたガラスから礼拝堂へ入っていった。