【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第1章 灯の明かり、月の誘い
【トド松】
お腹を空かせた悪魔達に、『魂はありません』と言ったら、そりゃ腹を立てるに違いない。
結果、怒りに任せて襲いかかる悪魔を鎌で切り裂いてしまった。
鎌をブンブン振り回していただけだけど、
悪魔の腹には僕の鎌傷がどくどくと流れる。
真っ赤な鮮血が右手を塗らした。
鉄の薫りと死の臭い。鼻に血を擦り付けた時、もう、二度と天使には戻れないんだろうと感じた。
おそ松兄さんに会いたかった。十四松兄さんを安全な天界へ戻してあげたかった。
どっちも大切だから、これが最善だと思ってしまった。
でも、もし十四松兄さんが僕と同じ考えだったら?
十四松兄さんが堕ちたのが、おそ松兄さんに会いたかっただけなのなら?
そうなら、僕は酷い迷惑者なのかもしれない。
そうして、また十四松兄さんが此処へ来たのなら、おそ松兄さんにも僕にも会える。
そしたら、今度はチョロ松兄さんがひとりぼっちだ。
なんでここまで狂ってしまったのだろう……