【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第1章 灯の明かり、月の誘い
天界の中でも凄く優秀で、賢くて、俺の自慢の弟、チョロ松。
少し怒りっぽくて、俺よりずっとピュアで、そこが可愛らしくて。
長い睫毛が、一松に良く似てるんだよな。
その弟を一松に『弟のような奴』と代弁して、話す。
なるべくその存在を悟られず、でも俺の大事な人だったと分かってくれるように───────
「そっか……」
一松は少しだけ哀しそうな顔をした。
なんでそんな顔をするのか、俺には解らなかった。
一松は、神父の話を嬉しそうに話す。
本当に心から尊敬しているような。
だから俺も一松にチョロ松の事を話した。
本当に心から愛しているから。
なのになんで、そんな顔をするんだろうか。
とにかく俺なりに理解したのは、それから少し後のことだった。