【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第8章 ただの必然、ただの運命
【カラ松】
「言い方…酷いです。」
「うぉっ…あ、すまない……」
自分は言われて人が喜ぶものを理解するのが苦手だ。
何かいいことをしたら、単純に誉める。国語の教科書の、誉め言葉の例題に載っているような、平和的な言葉。
今まで、『偉いぞ!』や『凄いな!』なんて誉め言葉しか与えたことがない。誰でも言える言葉。それしか使えない。
誉めるつもりが悪口になったりもする。素直に言うことは間違いなのだ。
「ごめん…」
それしか言えない。自分しか言えない言葉が見つからない。
これは奴にとって、どんな気持ちなのだろうか。