【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第8章 ただの必然、ただの運命
自分に悪魔の羽が生えるはず。なのに自分には…羽がなかった。
嘘だろ?堕天使なのか?
あり得ないだろ。悪い神様は悪魔になるはず。なのに……
神様の時と変わらない、人間みたいな背中。
神は…俺を悪者って認めないのか?
兄のクセに弟に何もしてやれなかった。
弟が考えてる事なんにも聞いてあげないでいた。
勝手にストレスを溜めて、挙げ句の果てに全部を捨てた。
そんな俺に罪はないのか??
俺を悪者って認めてくれよ……
そうじゃなきゃ…やろうにもやりきれねぇよ………
どんな形でも悪魔になりたい。
堕天使は…罪がなく堕ちた存在。運悪く堕ちてしまったとか、そんなもの。
自分に罪がないとは認めたくなかった。
自分が正しいなんて認めたくなかった。
偽物の羽根で、悪の心を持ったフリをして……
自分は悪魔だ。絶対悪魔だ。間違いなく悪魔だ。
悪魔のフリをした堕天使は、誰も自分の正体がバレないように悪魔を演じた。
否、演じるんじゃなくてそうなろうとした。
悪魔に。