【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第8章 ただの必然、ただの運命
【一松】
「ほら、人間様は神様の裏っ側なんてみるものじゃねぇよ、カラ松つれてとっとと行きな。」
おそ松は僕らを礼拝堂から追い出した。
ばたんと閉じられた扉からは鍵をかけられびくともしない。
カラ松神父は無事で、体に所々切り傷がある。多分、ガラス跡だ。
「目や心臓に入らなくて…良かったですね。」
「あ、あぁ…」
血を拭くものが周りになくて、応急措置に被っていたベールの布を破り、ハンカチ代わりに血を拭いた。
脱いだベールには、ボサボサの髪が。
「…………」
「…………」
血が止まった。止まっても扉が開く事はない。
おそ松には、カラ松神父に会わせてといった。願いが叶った事は間違いないから、文句も何も言えない。
「一松、なんでここにいることが分かった?」
「え」
「俺たちは悪に関わりすぎた…何があったのか、お互い知らないといけない。」