【おそ松さん宗教松】セーチクダイ・スロラーニュ 《後編》
第8章 ただの必然、ただの運命
「一松」
「なに」
「今から知る事がどんな事でも、自分を見失わないって、約束出来る?」
ぎゅっと、両手を握る。悪魔のくせに暖かい手。
「約束出来るなら、カラ松神父に会わせる。だけど、俺は正直カラ松神父に会ってほしくない。一松がこれ以上、苦しむかもしれないから。」
真っ赤な目。真っ直ぐな目。その目が、俺を写す。
─────真剣だ。
ただ、幼なじみに会うだけ。それだけ。
それが、なにか大きな罪のような気がした。
でも、罪などもうどうでもいいのだ。
罪なんて、誰でも犯すじゃないか。
「…行かせて。」
「そう…自分で選択するんだよ、道を。」
おそ松は僕の手の甲にそっとキスをした。
「場所までエスコートしてあげる。十字架の日から一緒にいたんだもん。最後まで側にいてあげなくちゃ。」